写真1 Net-Binのゾウ社長

 Net-Binは上海に9カ所の店舗を持つインターネット・カフェ・チェーン。3万5000会員を抱え,2005年末までに20~30店舗まで拡大する計画。ビン・ゾウ社長(写真1)にサービスの概要と中国のインターネット事情を聞いた。(聞き手は松本 敏明=日経コミュニケーション

--現在の収益はどこで上げているか。

 現在はインターネット・カフェを利用するユーザーからの利用料が売り上げの大きな部分を占めている。利用料は1時間で5元(65円程度)で,会員証を作る際に20元(260円程度)である。今後はその割合を3分の1程度に引き下げ,残りの3分の2は付加価値サービスで稼ぐようにしたい。具体的にはオンライン・チケットや電子決済の手数料,ディジタル写真プリントの宅配や実店舗を使った商品販売などだ。

--ユーザー情報はどう管理しているか。

 まず会員になるには18歳以上という条件がある。中国では16歳以上の個人にIDカードが渡されるが,会員証を作る時点でこのIDカードでユーザーをチェックする。登録時のデータは警察で保管する。

--犯罪を防ぐためどのユーザーが何を見たかという管理はしているのか。

 Net-Bin自身は管理していない。しかし犯罪などイザというときに,警察がアクセス・ログ情報を閲覧できる体制を敷いている可能性がある。

--ユーザーが見られないコンテンツはあるのか。

 Net-Bin自身はフィルタリングをかけていないが,インターネット接続サービスを提供しているるチャイナ・テレコムが,アクセスしてはいけないサイトをドメイン・レベルではじいている。

--なぜユーザーは自宅からではなく,インターネット・カフェを利用するのか。


写真2 オンライン・ゲームに熱中する中国の若者

 回線は光ファイバを何本か引いている。中国では家庭にADSL(asymmetric digital subscriber line)によるブロードバンドが普及し始めているが,それでも家庭よりも高速に利用できる(上海居住者によると,ADSLは月130元程度で利用できるが,実効速度は512kビット/秒程度という)。パソコンの性能も違う。我々のパソコンは1年で新モデルに入れ替える。数年単位でしか置き換えない家庭のパソコンに比べて,グラフィックスなどの性能が良い。

--はやっているコンテンツは。

 7~8割のユーザーはオンライン・ゲームを楽しんでいる。韓国からのオンライン・ゲームが人気であり,対戦型ゲームのユーザーも多い(写真2)。