ネクストコムは電通国際情報サービス(ISID)とNTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)と共同で,「DVcommNX」と呼ぶ映像伝送サーバー製品を2005年3月に発売する。最小構成で,価格は800万円から。

 DVcommNXの最大の特徴は,ディジタル・ビデオ(DV)の信号をそのままIPパケット化して伝送する「DV over IP」を使っている点。テレビ会議システムなどで使われるMPEG-2などに比べて,動きの多い映像や細かな文字が入った映像の伝送に適する。ただし解像度が720×420画素の画像を1秒間に30フレーム転送すると,30Mビット/秒の帯域が必要。4拠点を結んだテレビ会議システムの構築も可能だが,その場合は上り下りでそれぞれ30Mビット/秒の帯域を消費する。このため,高速なネットワーク環境を持つ企業や自治体,医療機関内での利用をターゲットとしている。

 製品は4種類の映像を一つの画面に合成するサーバー「DV-FCU」,予約などを制御するサーバー「DV-CCU」,ビデオ・オン・デマンド用配信サーバー「DV-VCU」という3台のサーバーで構成。さらに最小構成では,クライアント側のソフトであるファットウエアの「DVcommXP」を4本セットにした。ただしクライアント側の伝送に必要なパソコンやビデオカメラは最小構成に含んでいない。ネクストコムが製品の企画・設計,ISIDがDV-FCU,DV-VCUの基本技術の開発,NTT-ATがDV-CCUの開発を担当した。

 なお,ISIDはDV-FCU,DV-VCUと同じエンジンを持つ「QualImage/Quatre」と「QualImage/DANS」呼ぶソフトウエア製品をそれぞれ12月6日から出荷している。価格はQuatreが210万円で,DANSが315万円。それぞれ42万円,63万円の年間保守料金と導入作業費が別途必要になる。

(松本 敏明=日経コミュニケーション