DDIポケットと沖縄電力は12月13日,共同出資により新会社「ウィルコム沖縄」を設立し2005年1月25日からサービスを開始すると発表した。「ウィルコム」は,DDIポケットが2月2日に変更する予定の新社名。DDIポケットが社名変更する前に,「ウィルコム」を冠する会社が沖縄で一足早くスタートする。
沖縄では,沖縄電力子会社のアステル沖縄がPHS事業を展開してきた。しかし他地域のアステルの多くがサービス停止や新規加入停止をしているため,2005年1月31日付けで解散することが決定している。ウィルコム沖縄は,アステル沖縄からPHS事業を引き継ぐ“受け皿”となる。出資比率は,DDIポケットが80%で沖縄電力が20%である。
DDIポケット自身も既に沖縄でPHS事業を展開しているが,沖縄電力と組んだのは沖縄での営業力を重視したため。アステル沖縄のユーザー数4万に対し,DDIポケットは9000ユーザーとその差は歴然としている。DDIポケットの大段慶高広報室長は「法人も含めて営業力を強化するには,地元に強い企業と組む必要があった」と説明する。今後の沖縄でのPHS事業は,ウィルコム沖縄を中心に展開することになる。
新社長の仲里朝勝氏は地元沖縄の出身。1968年に琉球電信電話公社へ入社した後,長年沖縄地区を担当。1997年からは沖縄のIT関連企業の役員を務めていた。
ウィルコム沖縄は,DDIポケットのインフラを利用する。そのためアステル沖縄のユーザーは,DDIポケットの端末に切り替える必要がある。高機能の一部機種は有償だが,同程度の機能の機種には無償で交換する。またアステル沖縄ユーザーが契約している料金体系は,「ナイトトークプラン」を除いて維持する。