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英BTの固定電話網のIP化計画「21st Century Network(21世紀ネットワーク)」は,会計年度の2008~2009年で年間10億ポンド(約2000億円)のコストを削減する効果が見込まれていることが明らかになった。BTホールセールのポール・レイノルズCEO(写真)が明かした。
BTの設備投資額は今後年間で30億ポンド(日本円で約6000億円),そのうち20億ポンド(4000億円)を21CNの構築に注ぎ込む。「20億ポンドは英国政府が高速道路の幹線工事にかける年間の設備投資よりも大きい」(BT)という。
21世紀ネットワークではコスト削減のほか,(1)プラットフォームをIPネットワークにすることで,革新的な新サービスを提供しやすくすること,(2)サービスの開発期間を現在の平均18カ月から6カ月以下にまで短縮する--ことをあげている。
BTがIP化の計画を発表したのは今年6月のこと。レイノルズCEOは,「固定電話網のIP化を発表していた事業者はほかにもいたが,当社ほど大規模でインフラからサービスまで網羅した計画はない」と自負する。一方で,「固定電話網で使っている交換機の老朽化が著しく,今のタイミングで踏み切るしかない」(ポール・レイノルズCEO)事情もある。
今IP化に踏み切らなかったら,「コストの高い固定電話網を維持し続け,革新的なサービス提供もできず競合事業者に負けてしまう」(ポール・レイノルズCEO)と英国の通信業界の競争が激化していることを主張した。
(山根 小雪=日経コミュニケーション,ロンドン発)