ソフトバンクは11月30日,プロ野球球団の福岡ダイエーホークスの株式をダイエーから取得する契約を締結したと発表した。買収金額は約50億円。ソフトバンクは同日,日本プロフェショナル野球組織(NPB)への加盟申請も実施した。12月24日のオーナー会議での承認を経て,正式な球団オーナーとなる。

 ソフトバンクは米投資会社のコロニー・キャピタル傘下のホークスタウンから,ホークスの主催試合の入場券販売など福岡ドームに関連する事業を譲り受ける契約も交わしたことを明らかにした。譲渡額は約150億円。

 都内で会見した孫正義社長は「参加する以上は,球界の歴史を変えていくような,清く正しく感動を呼ぶプレーをする球団にしていきたい」と抱負を語った(写真)。

 孫社長はブロードバンド事業とからめた試合構想の一端も披露。「球場に20~30台のカメラを設置して,ある画面はずっと監督だけを映し,他はバッターだけを映す。どのカメラで観戦するかは,ユーザー自身が選択できる中継があってもいい」と発言した。さらに孫社長は「リリーフ投手は誰がいいか,ファンがリアルタイムにインターネット投票する。監督も常にパソコンをチェックしながら,コーチ以外にファンの意見も意思決定に役立てられる」と夢を語った。続けて「当然,監督は勝つための意志決定を優先してもらうが,ファンは投票できるだけで,試合に参加しているという意識が高まるはず」と興奮気味に話した。

 新球団のグッズは,ソフトバンク傘下のヤフーが運営する「Yahoo!」のショッピング・サイトなどでも販売する計画。選手のサイン入りグッズをYahoo!オークションに出品することも考えているという。ブロードバンド・サービスを取り入れることで,「現状の球団の売り上げ170億円を2~3割伸ばせる」(孫社長)と見ている。