総務省は11月12日,6月末時点での通信サービスの契約数動向をまとめた「ブロードバンド契約数等の推移」を発表した。この調査は,ADSL(asymmetric digital subscriber line)やFTTH(fiber to the home)などのブロードバンド(BB)接続サービスや,IP-VPNや広域イーサネットなどの企業向けWANサービスが対象となる。

 今回の発表は,4月に改定された電気通信事業報告規則に基づく。改正により,通信事業者は四半期ごとに通信サービスの契約数を公開することになった。今回の発表はその第1弾となる。総務省は従来,「インターネット接続サービスの利用者数等の推移」の速報値として毎月末にブロードバンド加入者数を発表していた。今回の移行に伴い,こちらは8月末で終了。今後は四半期毎の発表となるが,新たに企業むけWANサービスが追加になった格好となる。

 変更の目玉となる企業向けのWANサービスは,IP-VPNが24万4920契約(26事業者の合計),広域イーサネット・サービスが8万6266契約(35事業者の合計)と,IP-VPNが広域イーサネットを大きく上回る結果となった。なおWANサービスの契約数は,事業者のネットワークとユーザー拠点を接続する「端末回線数」の集計である。

FTTHやxDSLは集計方法の変更で契約数増

 通信事業者に報告義務が生じたことで,従来から発表していたブロードバンド関連項目の集計方法が変更されている。例えばFTTHサービスは,従来は契約数を報告していた通信事業者12社の合計だったが,FTTH事業者59社の合計に変更。今回の発表でのFTTH契約数は,従来の集計方法における数字よりもおよそ34万契約多い175万7716となった。

 xDSLサービスについても同様だ。従来は東西NTTが報告した数字から算出していたが,xDSL事業者43社に直接報告を求めるよう変更。従来の発表よりもおよそ5万契約多い1211万8724契約だったことが判明した。

 無線通信によるインターネット接続サービスの契約数については調査範囲を拡大した。FWA(fixed wireless access)サービスと無線LANアクセス・サービスが新規追加分で,それぞれ2万9514契約,5万2644契約だった。また携帯電話端末によるインターネット接続は,PHS端末と合計した数値に変更。7261万356契約となった。