総務省は11月12日,第3世代移動通信システム「IMT-2000」のうち,国内で未採用の通信方式の技術を検討する「IMT-2000 TDD方式技術的条件作業班」の第1回会合を開催した。
日本では第3世代携帯電話(3G)サービスはNTTドコモとボーダフォンが採用する「W-CDMA」(wideband-CDMA)と,KDDIグループが採用する「CDMA2000」の二つのFDD(frequency division duplex)方式が実用化されている。ただし,IMT-2000にはこれら以外にも,「TD-CDMA」(time division-code division multiple access),中国発の3G通信方式「TD-SCDMA」(TD-syncronous CDMA)など,TDD(time division duplex)と呼ばれる方式ある。
IMT-2000 TDD方式技術的条件作業班は,これらのTDD方式と既にサービスが始まっているW-CDMAやCDMA2000との相互干渉や,各方式同士の干渉についての調査を実施する。作業班は調査結果を2005年2月をめどにまとめる計画である。
TDD方式での第3世代携帯電話サービスには,当初ソフトバンクBBやイー・アクセスが名乗りを上げていた。ところが,両社は10月にFDD方式でのサービス参入に方針を急転換した。このため,現在TDDでのサービスを目指しているのはアイピーモバイル/NTTコミュニケーションズ連合のみとなっている。