総務省は11月11日,小電力無線システム委員会を開催した。今回の議題はUHF(ultra high frequency)帯を利用する無線IC(RFID:radio frequency identification)タグ。「UHF電子タグシステム作業班」が8月から4カ月間にわたって議論して取りまとめた,UHF帯無線ICタグの周波数割り当てと技術仕様をまとめた報告書が提示された。

 UHF帯無線ICタグに割り当てる950M~956MHz帯の両側の周波数帯は,NTTドコモのPDC(personal digital cellular)方式の携帯電話システムが利用中。さらに,2011年以降には900MHz帯の第3世代移動通信システム「IMT-2000」が使う予定。このため無線ICタグ・システムのリーダー/ライターが出す電波が,携帯電話システムと干渉を起こさないことが求められる。干渉問題を伴うため,UHF電子タグシステム作業班では白熱した議論が繰り返されてきた。

 今日の委員会では,提示された報告書に対する大きな変更の指摘はなく,明日11月12日から12月2日までの約3週間,パブリック・コメントを募集する運びとなった。12月8日に次回の小電力無線システム委員会を開催し,パブリック・コメントに対する検討と委員会としての報告書の取りまとめをする。12月15日の情報通信技術分科会で一部答申が出る予定である。

(山根 小雪=日経コミュニケーション