NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は11月11日,シスコシステムズとの協業で企業や自治体向けサービス「認証VLAN Ciscoパッケージ」の提供を開始した。IEEE 802.1Xに準拠した認証機能付きのLANスイッチや無線LANアクセス・ポイント,認証サーバーをユーザーのLAN内に設置し,管理者の認めたユーザー以外はLANにアクセスできないようにする。機器はシスコシステムズが提供し,機器の設定やサポートはNTTコムが担当する。機器の提供形態は,ユーザーによる買い取りやレンタルなどニーズに応じる。

 新サービスを導入すると,ID/パスワードの入力または電子証明書による認証をクリアしない限りは,認証機能付きLANスイッチを超えた通信ができなくなる。メニューは,ネットワーク機器の機種と設置個所に応じて2パターンある。NTTコム指定のネットワーク機器をパソコンと直接つながる個所に設置する「標準設計パターン」と,機種や設置場所をユーザーが自由に選択できる「カスタマイズ設計パターン」だ。料金は標準設計パターンの方が安価。なお標準設計パターンで指定される機種は,LANスイッチがCatalyst 2940シリーズ,2950シリーズ,2970シリーズ,無線LANアクセス・ポイントがAironet 1200シリーズ,認証サーバーがSecure ACS for Windowsとなる。

 具体的なサービス内容は,(1)環境構築に必要なネットワーク機器やサーバーの設定と設置工事,(2)24時間365日対応するトラブル時のヘルプデスク,(3)故障発生時の復旧作業の代行,(4)クライアント環境の設定と安定稼働までの常駐サポート――。(1)~(3)は標準サービスだが,(4)はオプション・サービスとなる。なお(3)は平日の9~17時対応と24時間365日対応を選択可能だ。

 料金はLANスイッチの機種,工事内容,サポートのプランに応じた個別見積もり。一例として,500人を認証対象とする標準設計パターンが700万円から(機器とその構築費用。保守は含まず)。

 NTTコムは,今後もLAN環境のアウトソーシング・サービスを拡充していく。12月には,今回発表のサービスにおける認証手段にICカードも追加する。さらに2005年3月には,企業のセキュリティ・ポリシーを満たさないパソコンをLANに接続できなくして,ウイルスやワームの侵入を防御する「検疫システム」のアウトソーシング・サービスにも乗り出す。