NTTグループは11月10日,2004年度中間連結決算を発表した。連結売上高は5兆3216億円と前年同期比1.7%の減収だったものの,純利益では子会社の株式を売却した利益などにより,前年同期を3.1%上回る3446億円を確保した。

 グループ主要各社別に見ると,NTT持ち株会社は売上高が2001億円(前年同期から585億円増),経常利益が1253億円(同522億円増)。NTT東日本は売上高が1兆714億円(同422億円減),経常利益が534億円(同205億円減)。NTT西日本は売上高が1兆291億円(同317億円減),経常利益は534億円(同138億円増)。NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は売上高が5253億円(同98億円減),経常利益が467億円(同213億円減)。

 東西NTTとNTTコムの減収は,主に加入電話やISDNなど音声通話サービスによるもの。各社ともIP系のデータ通信収入は前年同期比20~50%の増収だったが,音声通話の減収分を補い切れなかった。さらに東西NTTは,「電話基本料の値下げを1月に控えているため今後も厳しい」(NTT西日本の森下俊三社長)との見方を示した。

 通年の業績予想は,連結ベースで売上高が10兆7800億円,当期利益は6700億円。5月の決算発表時の予想より売上高を1200億円減らし,当期利益は200億円増やした。

(島津 忠承=日経コミュニケーション