日本テレコムは11月5日,同社が12月1日から開始予定の新固定電話サービス「おとくライン」でのADSL(asymmetric digital subscriber line)サービスを2005年3月上旬に延期すると発表した。

 おとくラインは,NTT東西地域会社が加入電話用に引いた回線を日本テレコムが「ドライ・カッパー」として借り受けて電話やISDNを提供するサービス。おとくラインを契約すると,東西NTTの加入電話は解約となってしまうため,加入電話との併用が前提条件の現行のADSL(重畳型)サービスは利用できない。

 おとくラインでADSLを利用可能にするためには,東西NTTと設備を接続するための協定締結や総務省への届出などが必要になる。日本テレコムは当初12月までに手続きを完了する計画だったが,期日までに間に合わないことが明らかになった。

 日本テレコムとソフトバンクBBは,おとくラインで利用できるADSLサービス「Yahoo! BB 8Mおとくラインタイプ」10月1日から提供中。だが,このサービスでは2005年3月まで,東西NTTの加入電話を利用。その後,おとくラインでADSLが利用可能となった時点で日本テレコムのドライ・カッパーに切り替わる。