有線ブロードネットワークス(USEN)は10月25日,2004年8月期の通期連結決算を発表した。売上高は前年比29.8%増の1219億1300万円,営業利益は同623%増の56億1600万円の大幅な増収増益となった。ブロードバンド(BB)事業の売上高拡大と赤字縮小,カラオケ事業を手がけるユーズ・ビーエムビーエンタテイメントの連結対象化が,連結の売上高と営業利益を大きく押し上げた。

 FTTH(fiber to the home)を中心とするブロードバンド事業は,売上高が129億200万円と,前年比161.2%伸びたが,107億9600万円の営業損失となった。ただし,赤字幅は,前期に比べて約30億円減少している。USENの宇野康秀社長は「(BB事業でインフラ提供を担当する)ユーズ・コミュニケーションズは2005年上期には月次で黒字化し,その後も黒字幅が拡大する」とBB事業の黒字化の見通しを示した。

 またUSENは,映画配給会社のギャガ・コミュニケーションズの子会社化も発表。USENは音楽会社のエイベックス・グループ・ホールディングスの筆頭株主にもなっており,今後これらのコンテンツを有線放送事業やブロードバンド事業などで配信する「USEN(United Sensational Entertainment Network)」構想も,今後の新ビジョンとして発表した。2005年8月期は,売上高1500億円,営業利益100億円を見込んでいる。

(宗像 誠之=日経コミュニケーション