KDDIは10月13日,第3世代携帯電話サービス「CDMA 1X WIN」の新端末4機種を11月下旬から順次発売すると発表した。

 今回発売するのは「W21CA」(カシオ計算機製),「W21T」(東芝製)「W22SA」(三洋電機製),「W22H」(日立製作所製)の4機種。全機種とも,音楽データを1曲丸ごとダウンロードできる新サービス「着うたフル」に対応。一部機種はパソコン向けWebページをそのまま閲覧できるようにするなど,パソコンやPDA(携帯情報端末)に迫る機能を盛り込んだ。

 着うたフルは,1曲1.5Mバイト程度の音楽データを携帯電話でダウンロードして端末上で再生できるサービス。11月下旬に開始する。これまでは楽曲の一部を切り出して着信メロディ用の「着うた」として提供していたが,「好きな曲を友人に聞かせたり,自分で楽しむユーザーが予想以上に増えている」(高橋誠コンテンツ・メディア本部長)ことから,本格的な音楽配信サービスに乗り出した。当初は,レーベルモバイルの「レコード会社直営♪フル」など4社6サイトで計1万曲を提供する。利用料は1曲数百円程度になる見込み。

 また,W21CAにはオペラ・ソフトウェア製のフル・ブラウザ「PCサイトビューアー」を搭載する。携帯電話で初めて,端末単体でインターネットのWebページ閲覧を可能にした(写真)。

 ただし音楽配信サービスやフル・ブラウザを利用するとダウンロードするデータ量が増え,パケット料金が跳ね上がる恐れがある。KDDIは,音楽配信サービスを利用するユーザーに対しては「定額パケット通信プランの利用を薦める」(高橋本部長)。一方,フル・ブラウザの利用については,「ユーザーがパソコン向けのWebページを携帯電話でどれだけ閲覧するのか,現時点では予想がつかない。大量のトラフィックが発生して無線の帯域を圧迫する恐れもある」(小野寺正社長)と判断。定額プランの適用を見送っている。