ソフトバンクの孫正義社長は8月11日の決算発表の席で,NTT東西地域会社が8月にも開始する予定の集合住宅向けIP電話サービスについて「我々のIP電話サービスには大した影響はない」とコメントした。

 東西NTTは7月21日に「集合住宅向けIP電話サービス」を提供するための認可を総務省から受けている。東西NTTがIP電話サービスに本格参入することについて孫社長は「IP電話が(電話サービスの)主流だということを宣伝してくれる」と歓迎。だが,「競合他社がIP電話サービスを発表して数年たつが,我々のトップ・シェアはほとんど変わっていない」とコメント。自社のIP電話サービス「BBフォン」の加入者獲得には影響がないことを強調した。

 さらに,「(IP電話サービスに)本腰を入れれば入れるほど,既存の加入電話の収益を圧迫し,売り上げも利益も下がる。果たして東西NTTにとって本当にうれしいことなのか」と,東西NTTの内情をうかがうような余裕さえ見せた。