石川島播磨重工業(IHI)は,同社広島県呉地区の3工場と東京都西多摩郡の瑞穂工場に携帯型IP電話機を導入する。4工場合わせて1000台の携帯型IP電話機の利用を計画。携帯型IP電話機の導入例としては世界最大規模である。2005年3月の利用開始を予定する。

 携帯型IP電話機はIEEE 802.11b規格などの無線LAN技術を使うIP電話機。企業に浸透し始めた無線LANと構内電話システムのIP化を背景に,近年,注目を集めているシステムである。

 IHIが採用した携帯型IP電話機は米シスコ・システムズ製。無線LANアクセス・ポイントも同社の「Cisco Aironet 1200シリーズ」を採用する。無線LAN区間はデータ通信のパケットと携帯型IP電話機の音声パケットを混在させ,音声パケットに対して優先制御をかけて高音質を確保する予定。

 IHIの4工場では従業員の30%が携帯型IP電話機を持つことになるという。「人の移動を10%程度減らせ,業務効率が上げられる」(IHI情報システム部企画グループの室井信一部長)と期待している。

(武部 健一=日経コミュニケーション



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