国内通信技術を標準化している情報通信技術委員会(TTC)は7月28日,無線LANで接続したIP電話端末の通話品質の評価基準を策定したと発表した。具体的には,TTC仕様書TS-1010(無線LANを用いたIP 電話の通話品質評価における留意事項)の第1版として制定した。

 今回,評価基準が定まったことで,IP専用の「050」,東京23区なら「03」といった既存の「0AB~J」番号を無線LAN端末に割り当てて利用することが可能となる。イーサネットなど有線で接続した端末は,TTCが昨年4月に策定した評価基準「JJ-201.01」の第1版によって,「050」や「0AB~J」番号が割り当てられる。

 JJ-201.01は有線と無線を区別していない。無線LANに特化した項目も設けられていない。国際電気通信連合(ITU)などが定めた国際的な標準もない。そのため従来は,「測定方法が定まっていない」(総務省の総合通信基盤局電気通信技術システム課番号企画室)として審査がなされず,番号が付与されなかった。

 今回決まったのは,(1)評価基準は「JJ-201.01」に準拠する,(2)IEEE802.11a/b/gなどの無線LANに適用する,(3)無線区間のトラフィックの定義,(4)評価時の留意点--など。これ以外の詳細は一般には公開されていない。

 今後,テレコムサービス協会内に設置した「VoIP推進協議会」が策定しているIP電話の通話品質評価のガイドランを改訂した後,総務省の実審査が始まる見込み。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション

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