KDDIの小野寺正社長は,2004年10月にも実施する予定だった同社の固定通信系法人営業部門の分社について,再検討していることを明らかにした(写真)。「ソフトバンクが日本テレコムを買収したことで,分社の検討を始めた昨年末ころとは状況が一変してしまった。少なくとも,10月の分社はない」(小野寺社長)。

 現在,法人営業の分社については,実施するかどうかも含めて再検討中。「彼ら(ソフトバンクの孫正義社長と日本テレコムの倉重英樹社長)がどういう戦略を打ち出すのか,見極めてからでないと危ない」(小野寺社長)と,慎重な姿勢を見せる。いつまで様子見を続けるのかは明らかにしなかったが,「何もせずに動かないことはない」(小野寺社長)と含みを持たせた。

 「KDDI本体に吸収合併する方針を固めた」と一部報道があったツーカー・グループについてもコメント。「DDIポケットを売却するメドがたった今,移動体通信事業で次に考えなければならないのはツーカーについてであることは確か。ただ,まだ何も決まっていない」(小野寺社長)と,報道を否定した。

(宗像 誠之=日経コミュニケーション