マイクロソフトや大塚商会など,セキュリティ関連サービスを手がける9社は7月22日,情報漏えい防止ソリューションを提供するための企業連合を結成すると発表した。事務局は大塚商会内に置く。「相次ぐ情報漏えい事件の発生や2005年4月の個人情報保護法の完全施行を控え,情報漏えい対策への企業経営者の意識が高まっている。我々9社の経験とノウハウを結集して,情報漏えい防止ソリューションを一元提供する」(大塚商会の濱田一秀常務取締役)。セキュリティ対策の専門家の人員育成が難しい中堅・中小企業をターゲットに売り込む。

 9社連合に参加するのは,(1)セキュリティ・コンサルティングなどを手がける大塚商会,(2)ユーザー認証システム大手のRSAセキュリティ,(3)ログ管理と解析システムを提供するエムオーテックス,(4)クライアントのセキュリティ管理サービスを手がけるクオリティ,(5)クライアント/サーバー型ミドルウェアを手がけるシトリックス・システムズ・ジャパン,(6)個人情報取扱事業保険を販売する損害保険ジャパン,(7)ウイルス対策ベンダーのトレンドマイクロ,(8)データ暗号化ソフトを手かげる日立ソフトウェアエンジニアリング,(9)マイクロソフト。

 それぞれセキュリティ関連サービスを持つ9社が密接に連携することで,情報漏えい対策のコンサルティングから漏えい防止環境の構築や運用,人材育成サービスなどを割安に提供する。ユーザーとの窓口となるのは,大塚商会に事務局を置く「バーチャル・シンクタンク」と呼ぶ組織。バーチャル・シンクタンクがユーザーから問い合わせを受けた後,簡易セキュリティ診断を実施。診断結果に基づき9社のソリューションを最適に組み合わせて提案する。

 9社すべてのソリューション・サービスを導入した場合,100クライアント規模のユーザーで2400万~2500万円程度の料金がかかるという。簡易セキュリティ診断は8月から開始する。

(宗像 誠之=日経コミュニケーション