四国電力グループの通信事業者であるSTNetは,10月にFTTH(fiber to the home)サービスを開始する。サービス名は「ピカラ光サービス」。高松市,高知市,松山市,徳島市で提供する。

 ピカラ光サービスでは,インターネット接続サービスの「ピカラ光ねっと」とIP電話の「ピカラ光でんわ」を提供する。ピカラ光ねっとは,最大100Mビット/秒のFTTHインターネット。月額料金は,戸建て向けで5985円。集合住宅向けで4200円からである。

 ピカラ光でんわは,「0AB~J」と呼ぶ既存の電話番号を利用できるIP電話サービス。「110」,「119」などの緊急通報のほか,フリーダイヤルの「0120」にもかけられるのが特徴。「警察,消防などとはほぼ調整が終わっており,10月開始当初から使える」(STNet)。ピカラ光電話のユーザーや,電力系通信事業者など相互接続済みの050番号を持つIP電話にも無料で利用できる。NTTの加入電話への通話は全国3分7.875円,携帯電話へは3分56.7円。月額基本料は1050円。

 さらに,CATV事業者と提携して放送サービスを提供することも検討中。映像信号はインターネットやIP電話と多重せずに,別の光ファイバで放送サービスを配信する方針である。

 電力グループでは,東京電力,中部電力,関西電力子会社のケイ・オプティコム,中国電力子会社のエネルギア・コミュニケーションズ,九州電力子会社の九州通信ネットワーク,沖縄電力子会社の沖縄通信ネットワークがFTTHサービスを提供中。STNetは7社目である。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション