総務省は7月14日,NTTドコモやボーダフォンが採用する第3世代(3G)移動通信方式「W-CDMA」(wideband-code division multiple access)に,高速データ通信システム「HSDPA」(high speed downlink packet access)を導入するための省令改正案を公開した。

 省令が改正されれば,NTTドコモやボーダフォンは,HSDPAによる最大14Mビット/秒の高速データ通信サービスが可能になる。今回の省令改正案では,W-CDMA方式にHSDPAを導入するための技術基準を規定した。

 高速データ通信システムは,KDDIが2003年11月から基地局から端末までの下り方向で最大2.4Mビット/秒の「CDMA2000 1xEV-DO」を「CDMA 1X WIN」の名称で実用化している。NTTドコモも対抗上,HSDPAを利用した高速データ通信サービスを2005年上旬にも開始することを明らかにしていた。省令が改正されれば,サービス実現に向け一歩近づく。

 今回の省令改正では,W-CDMA方式の800MHz帯への導入に向けた技術基準の整備や周波数の再編成案も盛り込まれた。800MHz帯は現在PDC(personal digital cellular)方式の携帯電話などに割り当てられているが,これを3Gサービスで利用できるようにする。3Gサービス「FOMA」の加入者を急速に増やしているNTTドコモにとっては,加入者の受け皿をより広くできる。

 今回の方針案に対しては,再度意見を募集する。その後,所定の手続きを経た上で省令が改正される見込みである。