総務省は7月13日,2005年度以降の固定電話の接続料の算定方法を決める委員会(接続委員会)を開催し,接続料算定についての“骨子案”を公開した。

 携帯電話やIP電話の普及に伴って固定電話の通信量は減っている。つまり固定電話の設備費などを通信量で割って算出する接続料は,上昇傾向にある。2003年度の接続料は,GC(加入者交換局)接続で4.82円だった。接続料はユーザーから事業者が徴収する通話料の大きな割合を占めるため,このまま上昇すると通話料の値上げにつながりかねない。

 骨子案には,(1)現在よりも低く接続料を算出できる新しいコスト算定モデル(長期増分費用方式の新モデル)を使うこと,(2)電話のトラフィック量に無関係なコスト(NTSコスト)を接続料で賄っている状況を段階的に除外し,基本料に付け替える--などを盛り込んだ。

 ただしこの骨子案では,いくつかの重要なパラメータがまだ決まっていない。例えば,NTSコストを何年間かけて基本料に付け替えていくか,どの期間の通信量を使って接続料を算定するか--といった内容だ。これらによって2005年度以降の接続料がいくらになるかが変わってくる。これらの議題は次回の接続委員会で話し合われる予定である。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション