NTT東日本がFTTH(fiber to the home)サービス「Bフレッツ」の低額メニューにNTT西日本と同様の方式を12月から導入することが明らかとなった。NTT西が従来から導入しているBPON(broadband PON)と呼ばれる方式を採用する。NTT東は当初EPON(Ethernet PON)という方式を採用するものと見られていたが,NTT西と同じ技術に合わせる。これによって,機器コストや導入までの期間の圧縮を図る。

 NTT東はBフレッツの低額サービスとして「ニューファミリー」というメニューを用意している。このメニューは1心の光ファイバを複数のユーザーで共有することで,利用料金を引き下げる形式で総務省の認可を受けている。ユーザー宅の近くまで1心の光ファイバで引き込み,そこから先は各ユーザーに光ファイバを配線する。この方式は一般にPON(passive optical network)と呼ぶ。

 ところが,NTT東はニューファミリーをPONの形式で提供していなかった。標準サービスの「ベーシック」と同じメディア・コンバータを使っていた。つまり光ファイバは分岐していなかった。11月12日にはこの点を問題視した総務省がNTT東に対して行政指導を行っている(関連記事)。

 もっともBフレッツのユーザーにとってはBPONかメディア・コンバーターかという方式の違いはあまり大きな問題ではない。ただ,NTT東には次の点できちんとした説明が求められる。既存のニューファミリー・ユーザーは2005年度内をメドに順次メディア・コンバーター方式から本来のBPON方式に移行することになる。この移行工事でユーザーに在宅や回線中断を強いることになるからだ。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション)