トレンドマイクロは11月1日、Windows搭載のATM(現金自動預け払い機)やPOS(販売時点情報管理)端末を保護する、ウイルス防御装置を発表した(関連記事)。製品名は「Trend Micro Network VirusWall 300」で、来年の第1四半期(1~3月)に出荷する。

 執行役員日本代表の大三川彰彦氏によると、Windows XP Embeddedなどの組み込み用Windowsが普及するに伴い、パソコンを攻撃対象にしたウイルスがATMやPOS端末にも感染する可能性が高まっているという。「国内で出荷されるATMの約5割、POS端末の約8割はWindows搭載機だ」(大三川氏)。同氏は、機器メンテナンスなどのために持ち込んだパソコンにより内部からウイルスに感染する可能性を指摘する。

 Network VirusWall 300は、ATMやPOS端末と上流回線との間にイーサネット・ケーブルで接続する。流れるパケットを常時監視し、ウイルスを検知すると該当するポートを遮断する。センター側からの指示で端末の復旧作業(レジストリやメモリー内容の復元)を行うことも可能。外付け型なので、対象機器に手を加える必要はない。

 同製品には4台までのATMやPOS端末を接続できる。インターネットに接続できない環境では、USBメモリーからウイルス定義ファイルを読み込むことも可能。オープンプライスだが、市場価格は10万円以内になる見込みだ。トレンドマイクロは初年度3万台の販売を目指している。

本間 純=日経コンピュータ