富士通と米マイクロソフトは6月28日、Windowsを搭載した基幹システム向け大型サーバーの開発やサポートについて提携した。富士通が2005年前半に出荷予定のIAサーバー「プレアデス(仮称)」とWindows Server 2003を組み合わせ、メインフレームに匹敵する信頼性の実現を目指す。2007年にマイクロソフトが出荷予定の次期サーバー向けOS「Longhorn Server(仮称)」にも対応する。

 今回富士通が開発を表明したWindows搭載サーバーのハードウエアは、6月11日に発表した“Linuxメインフレーム”と共通のもの(関連記事)。同社はSPARC/Solaris搭載サーバーについても、6月2日に米サン・マイクロシステムズと提携している(関連記事)。富士通は、特定プラットフォームに依存しない全方位外交で、製品ラインの強化を図る方針だ。

 サポート強化については、今年後半から国内ベンダーで初めてマイクロソフト本社に数十人規模のチームを置き、システムの信頼性を高めるためのソフトを共同開発する。例えば、プロセサ、メモリー、データ・バスなど個別の部品が故障してもシステム全体が停止しない仕組みを、OSにドライバ・レベルで実装する。このほか、OSがエラーで停止した時に障害の原因を詳細に報告するツールを開発する。

 富士通の秋草直之会長(写真右)は「当社はオープン系サーバーの海外出荷比率が半数以上を占めており、国内ベンダーの中で唯一のグローバル・プレーヤだ」と話す。同席した米マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者、写真左)は、今後他のベンダーと同様の提携を結ぶ可能性は否定しないものの、「富士通の世界市場での地位とメインフレームの分野で培った独自技術を評価した」と提携の理由を語る。

本間 純=日経コンピュータ