公正取引委員会(公取委)が4月8日、インテル日本法人に独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査したと各紙が一斉に報じている。パソコン・メーカーであるNEC、東芝、富士通、ソニー、量販店であるヨドバシカメラが公取委から協力を要請されていると報じられているが、パソコン向けプロセサでインテルと競合する日本AMDも公取委から調査の協力依頼を受けていることが分かった。

 報道によると、公取委は茨城県つくば市にあるインテル日本法人本社と千代田区丸の内にある東京本社などに立ち入り検査を実施した。インテルは自社製品以外のプロセサを採用しないようパソコン・メーカーに圧力をかけていた疑いが持たれているという。

 日本AMDはインテルの「Pentium 4」や「Celeron」といった製品と競合する「Athlon」シリーズをパソコン・メーカー向けに販売している。Athlonシリーズはコストパフォーマンスのよさを武器に“インテル以外の選択肢”として採用が進んでいる。また、米AMDが開発した64ビット拡張技術を米インテルが後追いする形で採用し、話題になった。日本AMDは、公取委から情報提供を求められていることは認めているが、同社がインテルを告発したのかどうかといった点を含め「詳しいことは何も言えない」(日本AMD広報)としている。

 インテル日本法人は公取委の立ち入り検査を受けたことを認めている。ただ詳しいことについては「公取委の調査中なのでコメントできない」(インテル日本法人広報)という。

大森 敏行=日経コンピュータ