本誌既報の通り、日本IBMは5月20日、「developerWorks Toolbox Subscription」を正式発表した。統合開発環境、データベース管理システム(DBMS)、Webアプリケーション・サーバーなど、システム開発に必要なソフトウエア製品を開発者に提供するもので、開発者は年間料金を支払い、3~4カ月ごとに新しいCD-ROMなどを受け取る。

 明らかにマイクロソフトの「MSDN(Microsoft Developer Network)」に対抗する商品で、IBMはこれを武器にシステム開発エンジニアをマイクロソフトから奪い取る構えだ。「今までIBM製品を使った経験がないエンジニアにも、広くIBM製品を使ってもらいたい」(ソフトウェア事業部デベロッパー・リレーションズの藤本司郎部長)。

 developerWorks Toolbox Subscriptionには、三つの「レベル」がある。入門向けの「スターター・レベル」、本格的な「プロフェッショナル・レベル」、大規模システム開発に向く「エンタープライズ・レベル」だ。それぞれの料金と含まれるソフトウエアの一部を示す(ソフトウエアについては英語版の資料を基に作成しており、日本語版では違うものになる可能性もある)。

スタータープロフェッショナルエンタープライズ
料金5万7100円/年25万200円/年47万9000円/年
統合開発環境WebSphere Studio Site DeveloperWebSphere Studio Application DeveloperWebSphere Studio Enterprise Developer
アプリケーション・サーバーWebSphere Application ServerWebSphere Application Server Network DeploymentWebSphere Application Server, Enterprise Edition
データベース管理システムDB2 Universal Database Personal EditionDB2 Universal Database Personal EditionDB2 Universal Database Enterprise Server Edition
グループウエアLotus Domino 5.0.11(Windows、Linuxのみ)Lotus Domino 6Lotus Domino Everyplace Enterprise

 統合開発環境、アプリケーション・サーバー、DBMS、グループウエアといった主要コンポーネントのどれでも、レベルの違いによって提供される製品とその機能はかなり異なる。たとえば、統合開発環境WebSphere Studioの場合、Site DeveloperとApplication DeveloperはJava言語での開発を想定しているが、Enterprise EditionではJava以外にCOBOLやPL/Iも利用できる。また、プロフェッショナルやエンタープライズには表で挙げたほかに、かなりの数のソフトウエアが入っている。発表資料には「1000種類以上」と記されているくらいだ。出荷は6月20日から。

(大和田 尚孝=日経コンピュータ))