丸紅グループの米ヴェクタントと東京ガスが出資する,第一種電気通信事業者のメトロアクセス(東京都千代田区)は4月20日,光ファイバを使ったブロードバンド(広帯域)の通信サービスを東京都の一部地域で開始する。光ファイバを敷設する経路として,東京ガスが保有する地域冷暖房システムの地下トンネルなどを利用することにより,設備コストを抑える。光ファイバはユーザー企業側のビル内部まで配線する。サービスの提供地域は,当初は西新宿地区,丸の内地区,港区の一部。

 サービスの種類は大きく分けて2種類ある。1.5M~155Mビット/秒の高速デジタル回線(専用線)サービスと,同専用線を利用したインターネット接続サービスである。このうちインターネット接続サービスは,ヴェクタント・グループのプロバイダであるグローバルソリューション(東京都千代田区)と提携して提供する。ユーザー企業のオフィスからインターネット相互接続点(IX)までの帯域を保証するのが特徴だ。

 IXとは,複数のプロバイダのネットワークを相互接続する設備のこと。メトロアクセスは,自社の光ファイバのネットワークを日本インターネットエクスチェンジ(東京都千代田区)などが運営するIXと接続する。インターネット接続サービスの料金は1.5Mビット/秒の場合で16万円である。このほかメトロアクセスは,他の通信事業者向けに光ファイバを貸し出す,いわゆるダーク・ファイバのサービスも提供する。

 販売目標は初年度で200回線程度,4億円の売り上げを見込む。この回線数は,「当初のサービス提供地域内にある企業4000社の5%に当たる数字だ。2005年には2000回線,40億円の売り上げを目標としている」(渡辺尚生メトロアクセス副社長)。今夏には,イーサネットのインタフェースでLAN間を相互接続するブロードバンド・サービスも始める。(大和田 尚孝=日経コンピュータ

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