ヤフーが打ち出したオークション・サービス有償化の方針が,波紋を呼んでいる。利用者からの反対意見や質問が多数寄せられたヤフーは1月29日,ユーザーへの回答文書をWeb上で公開するなどして,利用者の理解を得ることに必死だ。

 今回の“騒動”の発端となったのは,ヤフーが1月16日に公表した,オークション・サービス「Yahoo!オークション(http://auctions.yahoo.co.jp/)」の有償化方針。ヤフーが,出品者と落札者の双方から3月をメドに,月額数百円の利用料を徴収することで,本人確認を強化する計画を明らかにしたところ,この問題に関するヤフーの掲示板には,2週間足らずのうちに,2200を超える書き込みがあった。

 日経コンピュータが確認したところによると,掲示板への書き込みの多くは,有償化そのものに反対する意見。さらに「月額数百円」という利用料金の根拠や,有償化後の運用方法に関する質問も多数寄せられた。

 掲示板への意見や質問に答える形で,ヤフーは「オークションユーザーの本人確認システムの導入、及び参加有料化について中間報告(1月29日)」と題する文書を公開した。「なぜ,本人確認を行うのか?」,「本人確認と有料化は別ではないか」といった11項目に関して,ヤフー側の見解を説明し,利用者の理解を求めている。

 ただし,有償化による利用者減を懸念する意見に対しては,「本人確認されると困るようなことをしている人によるYahoo!オークションの悪用を止めることの方が,より重要」として,「本人確認・有料化を機に他のオークションサイトに(利用者が)流れてしまうことは,ある程度しかたがない」と毅然とした態度をとっている。「有償化によって本人確認を徹底する方針には,現時点では変化はない」(広報)という。

 現在のYahoo!オークションは,だれでも無料で参加できる。楽天やBIDDERSなどの他の大手オークション・サイトと異なり,本人確認もしていない。このため,身元を偽った参加者による,商品の未着や代金の未入金といったトラブルが頻発しており,警察庁や不正商品対策協議会などから,本人確認の強化を要請されていた。

星野 友彦=日経コンピュータ

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