米Janco Associatesは,2005年6月に実施したブラウザ市場に関する調査結果を米国時間7月14日に発表した。それによれば,米Mozilla Foundationの「Firefox」が市場シェアで2位を維持しているが,一時の勢いを失っている。4月の調査に比べ,シェアは3.93%減少している。同社ではセキュリティ・ホールが報告された影響と見ている。


 これに対し,Internet Explorerは4月に比べシェアを5.59%伸ばし,85.07%と回復した。


 また米Netscape Communicationsは「Netscape 8.0」を公開したが,引き続き市場シェアは縮小しており,4位から5位に落ちている。


 Janco社CEOのM. Victor Janulaitis氏は,「Firefoxのシェア拡大は,いくつかのセキュリティ・ホールが見つかったこともあり,4月に減速している。2位のポジションを維持しているものの,勢いを失ったようだ。Netscapeのバージョン8のリリースも,シェア拡大につながるイベントにはならなかった。データによれば,Netscapeは引き続き市場シェアを失っている」とコメントしている。


表1●2005年1月-6月のブラウザ市場シェア

2005年1月 2005年6月 変動
ブラウザ 順位 シェア 順位 シェア 順位 シェア
Internet Explorer 1 84.85% 1 85.07% 0.22%
FireFox 3 4.23% 2 8.83% 1 4.6%
Mozilla 2 4.48% 3 3.31% -1 -1.17%
AOL 5 2.2% 4 0.81% 1 -1.39%
Netscape 4 3.03% 5 0.75% -1 -2.28%
MSN 6 0.58% 6 0.62% 0.04%
Opera 7 0.34% 7 0.59% 0.25%
合計 99.71% 99.98%

出典:米Janco Associates


表2●2005年4月-6月のブラウザ市場シェア

2005年4月 2005年6月 変動
ブラウザ 順位 シェア 順位 シェア 順位 シェア
Internet Explorer 1 79.49% 1 85.07% 5.59%
FireFox 2 12.77% 2 8.83% -3.93%
Mozilla 3 4.46% 3 3.31% -1.15%
AOL 5 0.77% 4 0.81% 1 0.03%
Netscape 4 0.78% 5 0.75% -1 -0.03%
MSN 6 0.64% 6 0.62% -0.02%
Opera 7 0.56% 7 0.59% 0.03%
合計 98.91% 99.39% 0.48%

出典:米Janco Associates


 同調査の詳細な結果は,IT Productivity Center(ITPC)に記載されている。


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