ドイツのInfineon Technologiesは,超低コストな携帯電話機を実現するための参照設計のサンプル提供を開始した。同社が現地時間7月13日に発表した。

 同社のシングルチップのGSMソリューションをベースとする新しい参照プラットフォームにより,SMS(ショート・メッセージング・サービス)機能を持つGSM対応携帯電話機の生産コストは,近い将来,現行の半分に引き下げられ,現在およそ35ドルのところ20ドル未満になるという。

 この費用には,携帯電話機を構成するすべての電子部品,プリント回路基板,コネクタ,キーパッド,ディスプレイ,ケース,すべてのソフトウエア,充電式バッテリ,充電器,パッケージング,ドキュメントが含まれている。

 同参照プラットフォームは,GSM900/1800とGSM850/1900規格に準拠するデュアル・バンド携帯電話機に必要とされるすべての電子部品とソフトウエア・コンポーネントを提供する。シングルチップのGSM無線/ベースバンド,その他のRF関連部品,電力供給,メモリー,OS,ハードウエア・ドライバ,GSMプロトコル・スタック,参照MMIも含まれる。量産は2006年第1四半期に開始が予定されている。製品が店頭に並ぶのはそれから数ヵ月後になるという。

 現在,SMS機能を持つGSM携帯電話機には,通常150~200種類の電子部品が組み込まれる。Infenon社の新しいプラットフォームでは,この数を100未満に抑え,通常の3分の1に相当する3?×3?のスペースに収めている。

 電力消費も最適化されているため,単4型ニッケル水素充電池といった低価格な充電式バッテリを利用できる。同社は,スタンバイ時間は10日間以上,4時間以上の通話が可能になると推定している。

 同プラットフォームとチップの詳細は,同社のWWWサイトに記載されている。

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発表資料(1)
発表資料(2)