米VERITAS SoftwareのWindows向けデータ・バックアップおよび復旧製品「VERITAS Backup Exec Remote Agent for Windows」に存在するセキュリティ・ホールへの攻撃が頻繁に発生している。米国土安全保障省のコンピュータ緊急対応チーム(US-CERT)が米国時間6月29日に,警告を発した。

 問題のセキュリティ・ホールは,VERITAS Backup Execのリモート・エージェントで認証リクエストに含まれるデータによりバッファ・オーバーフローが発生し,リモートから任意のコードを実行される恐れがあるというもの。6月22日に,VERITAS社から問題の存在と修正パッチが公開されている。

 VERITAS Backup Exec Remote Agentはバックアップの対象となるシステムにインストールして使われる。バックアップ実行の通信にTCPポート10000を使用するが,細工した認証メッセージなどが送られてくるとバッファ・オーバーフローが発生する可能性がある。

 US-CERTによれば,同セキュリティ・ホールを攻撃するコードは一般に公開されており,問題の脆弱性を悪用してローカル・システムを制御しようとする行動が多発しているとの報告を,「信頼できる筋から」(US-CERT)受け取っているという。また,TCPポート10000へのスキャンも増加しており,これは,VERITAS Backup Exec Remote Agentをインストールしているシステムを,攻撃者が探しまわっているためとみられる。

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