米palmOneは,これまでの製品カテゴリである「ハンドヘルド」,「スマートフォン」に加え,デジタル・コンテンツを扱うための「Mobile Manager」という新しいカテゴリを米国時間5月9日に発表した。同社は,同月中に新カテゴリの製品をリリースすることを明らかにしている。

 新カテゴリの導入は,ハイエンド製品を中心とするユーザーの利用パターンの変化に対応する目的で決定されたという。企業向けの「Tungsten T3」ユーザーの間では,Microsoft Word/Excel/PowerPointファイルを端末上で管理するDataViz社の文書管理ソフト「Documents To Go」の利用頻度が高い。顧客からは,これまでの機能に加え,音楽,ビデオといったファイルの持ち運びやデジタル・コンテンツを管理する機能を求める声が寄せられていた。

 Mobile Managerカテゴリの製品は,ドキュメント,電子メール以外にも音楽,画像,ビデオをデジタル化して管理し,持ち運ぶためのデバイスとなる。これに対し,これまでの「Zire」や「Tungsten」は,カレンダや住所録といった基本的なオーガナイザ機能を重視するユーザー向けのハンドヘルド・カテゴリの製品であり,スマートフォン・カテゴリの製品である「Treo」は,電話,電子メールといった通信機能とオーガナイザをひとつにまとめたデバイスという位置づけになる。

 同社マーケティング担当副社長のPage Murray氏は,「ユーザー調査の結果,数多くのドキュメントや数百曲の楽曲とともに,数にして1000枚を超える写真を持ち運んだり,ビデオを楽しみたいというユーザーの存在が明らかになった。オーガナイザ機能は,ほぼすべてのユーザーにとって必要とされる機能だが,一部のユーザーは,ビジネスおよび個人向けに,より充実したファイル管理機能を求めている」と説明する。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,米Amazon.comのオンライン・ショップにおいて,すでに「LifeDrive」という新カテゴリの製品の情報が掲載されている。Intel社の416MHz「XScale」プロセサ,320×480ピクセルのカラー・ディスプレイを搭載。スマート・ファイル管理機能を備えるという。

◎関連記事
米palmOne,フラッシュ・メモリー内蔵PDAの新モデル「Tungsten E2」を発表
米palmOneのHawkins氏とDubinsky氏,神経科学をメモリーに応用する新会社「Numenta」を設立
米palmOne,アイルランドにエンジニアリング・センターを開設へ
米palmOneがスマートフォンの新モデル「Treo 650」を発表

発表資料へ