スペインのPanda Softwareは,スパイウエアに関する調査結果を現地時間3月28日に明らかにした。スパイウエアは,ユーザーのプライバシに直接影響を与えるもっとも一般的なセキュリティ・リスクであるとともに,企業においては,内部の技術サポート・センターに電話がかけられる主な原因のひとつとなっているという。

 米Webroot Softwareの報告によれば,コンピュータ10台中9台にスパイウエアが潜んでいる。90%のコンピュータにこの種の悪質なプログラムがインストールされていることになる。また,米Earthlinkのが実施した調査では,対象となったコンピュータ1台につき平均25個のスパイウエアがインストールされているとしている。

 Panda Software社が提供する無償オンライン・スキャン「ActiveScan」で収集したデータによれば,パソコンにインストールされた悪質なプログラムの84%がスパイウエアという。

 Pandaの研究所で責任者を務めるLuis Corrons氏は,「スパイウエアは,特別にプログラムしない限り通常のアンチウイルス・ソリューションでは検出できない。数千のスパイウエアが出回っているという事実とともに,コンピュータ上にインストールされる方法を考えると,コンピュータにスパイウエアが侵入するのは非常に簡単である」と説明する。

 同社によれば,企業は,この種類の悪質なプログラムにもっとも影響を受ける可能性があるという。これは,ユーザーの許可無くシステムから情報を収集するプライバシのリスクだけでなく,スパイウエアが余分なリソースを使い,パフォーマンスの安定性に問題を生じさせるため,社内のサポート・コストの増大という影響となって表れるとする。

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