米Cisco Systemsは,広域ファイル・サービス(WAFS)技術を利用したアプライアンス・ベースのソリューション「Cisco File Engine Series」を米国時間12月14日に発表した。WAFS技術は,リモートのブランチ・オフィスにおけるストレージ,サーバー・インフラを統合し,データ保護を強化するもの。同社によれば,IT管理者は,同ソリューションを使ってリモート・オフィスを含む企業全体のデータを容易に管理できるようになる。

 Cisco File Engine SeriesとWAFS技術を利用することにより,IT管理者はメインのデータ・センターに設置したファイル・サーバーにブランチ・オフィスのデータを統合することができる。それぞれのブランチ・オフィスにおけるファイル・サーバー,プリント・サーバー,テープによるバックアップ機器の統合を通じて,運用効率が向上し,管理が容易になるとともにTCOの引き下げが実現可能になるという。

 WAFSは,WANを介してファイル・アクセス・プロトコルを利用する際のパフォーマンス問題を解消するために設計された技術ソリューション。WAFS対応のCisco File Engineは,遠く離れたブランチ・オフィスにあるファイルにもLANのようなアクセスを提供する。

 Cisco File Engine Seriesは,いくつかのコンポーネントで構成される。それぞれのブランチ・オフィスに「Cisco Edge File Engine」が配備される。これは,ファイルとプリント・サーバーを置き換えるものであり,ローカルのクライアントは,ファイルに対してLANに近い形で読み込みや書き込みのアクセスを提供する。データ・センターには,「Cisco Core File Engine」が設置され,ファイル・サーバー,またはNASゲートウェイに直接接続する。Core File Engineは,それぞれのEdge File Engineに代わってファイル要求を処理する。Cisco WAFS Central Managerは,企業内に導入されたすべてのファイル・エンジンの一元管理,監視を行なう。

 Cisco File Engine Seriesは,同年8月に買収したActona Technologies社からの最初の製品となる。

 Cisco File Engine Seriesは,同日よりCisco社と再販パートナを通じて提供される。価格は,最大50のブランチ・オフィス・ユーザーに対応するライセンス付きで1万2000ドル。50ユーザー追加のライセンス・パックは4500ドル。

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