米Cisco Systemsは,ネットワークへの許可を制御するソリューションを手がける非公開会社,米Perfigoを買収する意向を米国時間10月21日に明らかにした。買収金額はおよそ7400万ドル。取り引きは現金で行なわれる。Cisco社は,Perfigo社のソリューションを加えることで,情報セキュリティ市場に包括的な許可制御ソリューションの投入を狙う。買収は,1月末のCisco社の2005年会計年度第2四半期末までに完了する予定。

 Cisco社によれば,Perfigo社の技術は,企業内ネットワークのセキュリティを高め,顧客の自己防衛的なネットワークの実装を支援する同社の「Network Admission Control(NAC)」プログラムに一致している。Cisco社は,Perfigo社のネットワーク許可制御ソリューション「CleanMachines」のライセンス供与を受けており,同年10月中に顧客への提供開始を予定している。買収後,Perfigoチームは,Cisco社のセキュリティ技術グループ部門に統合される。

 Cisco社のセキュリティ技術グループ担当副社長のRichard Palmer氏は,「同社の買収は,先行型の高度なセキュリティを構築してネットワーク・インフラに導入するというCisco社の自己防衛型ネットワークセキュリティ戦略を強化するものである」とコメントしている。

 CleanMachinesは,ネットワーク上のユーザー,デバイス,役割りを認識し,エンドポイントのセキュリティ状況を評価するとともに脆弱性を調べてネットワークのポリシーを強化する。同製品により,企業は,問題のないエンドポイントのユーザーに信頼のできるアクセスを提供できるようになるため,顧客ネットワークと重要なビジネス・アプリケーションの可用性と整合性が向上するという。

 Cisco社は,前年から同社のNACアーキテクチャを前面に出しており,6月にNAC対応のIPルーターを発表している。同社は2005年にNAC対応のEthernetスイッチ,仮想プライベート・ネットワーク向けコンセントレータの提供を予定している。

 Ciscoは,前年4月にセキュリティ・ソフトウエアを手がける米Okenaの買収後に,NACアーキテクチャの構築を開始している。Okena社は,ネットワークにおいて悪意のあるコードの行動を検知し,トラブルの発生を未然に防いで,デスクトップ・パソコンやサーバーを保護するセキュリティ・ソフトウエアを手がけていた。同社の買収は,Cisco社のポリシー・サーバーと通信する信頼できるエージェントを実現する技術を提供することを目的としていた。

 また,同社は,9月にSIP(Session Initiation Protocol)ベースのソリューションを開発する米DynamicsoftとITインフラの管理サービスを手がける米NetSolveの買収も発表している。

 10月に入ってCisco社と米Microsoftは,セキュリティ技術の統合について協力することを発表している。両社は,Cisco社のNACプログラムとMicrosoft社の企業ネットワーク向けセキュリティ技術「Network Access Protection」との互換性確立に取り組むという。

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