米QUALCOMMは,CDMAネットワークを利用する2つのマルチキャスト技術「1xEV-DO Platinum Multicast」と「FLO(forward link only)」を米国時間10月13日に発表した。両技術は,ビデオ,オーディオ,その他のコンテンツを同時に多数のユーザーに効率よく配信を可能にするとともにコストを削減させる技術。両技術は,2005年にネットワークの試験運用が行なわれる予定。

 1xEV-DO Platinum MulticastとFLOは,同社の高速1xEV-DO技術と互換性を持ち,CDMA2000とWCDMAネットワークで運用される予定。両技術は,携帯電話とその他のモバイル・デバイスにおけるマルチメディア利用をに拍車をかけることが期待されるという。

 同社ワイヤレス・インターネット・グループ担当副社長のPaul Jacobs氏によれば,無線のマルチメディア・サービスは,市場においてけん引力を増しているが,消費者の需要が高まるにつれ,大規模な加入者ベースのユーザーに同じマルチメディア・コンテンツをそれぞれ配信するコストは高くなる。

 「EV-DO PlatinumとFLO技術により,既存のユニキャスト・ネットワークが補強され,リアルタイムの高品質ビデオを含め,多くのマルチメディア・アプリケーションをよりコスト効率よく提供できるようになる。Media FLOシステムは,これらの新しい技術を完全なエンド・ツー・エンドのシステムにまとめるものであり,顧客は馴染みのある方法で無線マルチメディアを利用できるようになる」(同氏)

 同社は同日,英国のTrigenix社を3600万ドルの現金で買収したことを明らかにした。モバイル機器向けユーザー・インタフェースを手がけるTrigenix社は,欧州の携帯電話メーカーと開発者に,携帯電話機向けユーザー・インタフェース,アプリケーションを作成するためのツール・キットを提供している。

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