米Delphi Groupは,企業における社内データの検索効率についての調査結果を米国時間6月14日,発表した。それによると,過去2年間に必要な情報をより効率的に検索できるようになったという回答者は約60%だった。その一方で,社内情報の検索は困難で時間がかかるという回答者は68%に達した。

 調査は,さまざまな業種のITマネージャと部門担当マネージャ300人以上を対象に実施したもの。

 Delphi Group社市場分析担当執行副社長のCarl Frappaolo氏によると,回答者は効果的な意思決定に必要,あるいは有用だと思われる情報の検索に,1日平均2~4時間費やしている。また,回答者の約半数は,必要な情報を75%以上の割合で入手できているという。しかしFrappaolo氏は,「技術の向上によって,検索に要する時間が短縮し,必要な情報を入手できる確率も高くなったが,さらに改善の余地がある」と述べた。

 同社によれば,必要な情報が検索できない場合,その理由は,(1)利用している検索ツールが,絶えず変化する情報に対応できないため,(2)検索ツールが,必要とする情報を正確に検索する機能を備えていないため,(3)検索したい情報の保管場所が複数の情報レポジトリにまたがるなど,検索対象が漠然とし過ぎているため,の3つに大別できる。

 社内の検索環境に「不満」あるいは「非常に不満」という回答者は62%だった。また社内に,「情報検索を容易にする分類法を導入すべき」という回答者は50%にのぼった。

 社内に情報を整理/分類する全社的なシステムを「導入している」という企業は約40%,「導入を検討中」という企業は16%だった。なお,「導入していない」企業は45%に達した。

 Frappaolo氏は,「社員それぞれが,各自のやり方でファイルを整理/保管している環境で必要な情報を入手するのは,干し草の山の中から針を探し出すのに等しい。全社的な情報アーキテクチャを採用すれば,社員全員が共通の分類法に則って情報を管理できるため,必要な情報にアクセスしやすくなる」と説明する。「情報検索の効率化により,生産性の向上,リスクの削減,時宜を得た意思決定などを実現できる」(同氏)

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