米AMDは米国時間1月20日に,2003年第4四半期の決算を発表した。売上高は12億600万ドルで,前年同期の6億8600万ドルと比べて76%増,前期の9億5400万ドルと比べて26%増となった。純利益は4300万ドル(1株当たり利益は12セント)で,前年同期の純損失8億5500万ドル(1株当たり損失は2ドル49セント),前期の純損失3100万ドル(同9セント)から黒字転換を果たした。
営業利益は4600万ドル。営業キャッシュ・フローは前期に引き続き黒字で,現金残高は前期の前期は10億7600万ドルから13億1300万ドルに増加した。
2003年第4四半期の収益性が改善した点について,同社CFO(最高財務責任者)のRobert J. Rivet氏は「あらゆる事業分野が成長したため」と説明している。「すべての地域で売り上げが増加しており,特に中国や南米では過去最高の売上高を記録した。さらに,『Athlon XP』などのマイクロプロセサ・ブランドすべてが好調だった」(同氏)
事業別にみた場合,パソコン向けプロセサ事業の売上高は5億8100万ドルで,前年同期比38%増加,前期比15%増加した。デスクトップ向けAthlon XPシリーズや上位プロセサが販売好調だったことから,ASP(平均販売価格)が改善した。
フラッシュ・メモリーの売上高は5億6600万ドルで,前年同期と比べ161%の急増,前期と比べて34%増加した。「無線機器などの消費者向け家電で『Spansion』のシェアが増大し,季節的な要因も重なった」(同社)
また同社は,2003年通期の決算も発表した。売上高は35億ドルで,前年の27億ドルと比べて30%増加した。純損失は2億7400万ドル(1株当たり損失は79セント)で,前年の純損失13億ドル(同3ドル81セント)と比べて赤字幅が縮小した。
同社は2004年第1四半期の業績について,「経済と業界の状況が引き続き不透明なため,製品需要を予測することは難しい」としながらも,次のような見通しを明らかにした。
・フラッシュ・メモリー事業は,市場シェアをほぼ確立していることから,季節的な影響を受けず,ほぼ平坦に推移する
・プロセサ事業は,業界の季節変動の範囲内におさまる
・これらの要因を踏まえ,総売上高はわずかに減少する
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