米Microsoftは,ビジネス向け地図ソフト新版「MapPoint 2004」の北米版と欧州版を米国時間12月12日に発表した。企業は,同製品でマッピング/位置データのビジュアル化を行なうことにより,マーケティング,データ分析などに活用できる。

 「同製品は,企業に強力な情報と分析ツールを提供する。同製品が提供する豊富な人口統計学的,地理的情報は,顧客とその他のビジネス・データに関するプランニング,分析,報告に有用である。また,Office製品に統合して利用できるため,このビジネス情報をより簡単かつ包括的に利用できる」(同社MapPoint Business事業部門ジェネラル・マネージャのMichael Graff氏)

 企業は,顧客と見込み客の確認,データと動向の分析,リスクと好機の発見を支援する使いやすいツールを求めている。同製品は,そのニーズに対応するために,前バージョンから人口統計学データ拡張してアップデートしている。それ以外にも,消費者のプロファイル・データの追加,地図範囲のアップデート,運転案内の改良,GSPサポートの強化,カスタマイズ機能の追加を施している。

 新しい北米版は,前バージョンのおよそ2倍に相当するデータを収録している。今回初めて消費者の購買行動に関するデータ・セットを提供する。同版の米国地図は,670万マイルを越える道路とさまざまな地理的境界線が表示できる。この境界線は,州,群,都市,3桁の郵便番号,5桁の郵便番号,2000の米国勢調査の調査地区単位の6種類が用意される。

 欧州版は,西欧諸国の大半を網羅しており,5つの欧州言語に対応する。西欧地域の420万キロメータの道路とストリート・レベルのデータ,州,群,地域行政エリア,自治体,郵便区域の境界線のデータを提供する。

 MapPointと同製品が収録する「Pocket Streets」は,GPS機能を提供する。そのため,多くのGPSデバイスで使えるようになった。GPSデバイスを毎秒チェックするため,ユーザーはリアルタイムのGPS機能を使って正確な位置を知ることができる。

 また,Pocket Streetsで,MapPointの地図をPocket PCにダウンロードすれば,ユーザーは,登録されている140万件以上事業リストを使って近くのATM,ホテル,レストラン,ガソリンスタンドなどを見つけられる。

 新版は,カスタム化のサポートも強化している。開発者は,Microsoft Visual Basic やVisual C++といったCOM対応開発システムからMapPointを操作できるようになる。レジストリの操作も改良されており,Visual Studio .NETにも登録できるようになったため,カスタマイズしたアプレットの適用がますます容易になる。

 MapPoint 2004の北米版と欧州版は,同日から同社小売店,ライセンシング・プログラム,同社WWWサイト販売される。価格は299ドル。欧州における提供価格は,同レベルだが,通貨と為替の変動によって異なる。

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