米Lucent Technologiesは2003会計年度第2四半期(2003年1月~3月期)の決算を米国時間4月23日,発表した。売上高は24億ドルで前期の20億8000万ドルから16%の増収となった。前年同期の35億2000万ドルからは約47%減少した。

 会計原則(GAAP)に基づく純損失は3億5100万ドル(1株当り損失14セント)だった。前年同期の純損失4億9500万ドル(1株当たり損失16セント)に比べると改善しているが,前期の2億6400万ドル(1株当たり損失11セント)からは赤字幅が拡大している。

 同期の純損失には,株主が同社に対して起こしていた集団訴訟の和解にかかった約4億2000万ドル(1株当たり11セント)の費用,転換証券の買戻しと借入債務(1株当たり6セント)が計上されている。これら損失の一部は,所得税法の優遇措置(1株当たり6セント),リストラ,その他(1株当たり5セント)により相殺された。

 同社は業績の一部として,同期に米国,欧州,アジアの企業と光,ソフトウエア,ブロードバンドに関するいくつかの大規模な契約を結んだことを明らかにしている。

 「市場の状況は相変わらず厳しいが,連続して2けた台の売り上げ成長を達成し,粗利益も大きく向上した。同期には,米証券取引委員会(SEC)の調査と株主が起こしていた集団訴訟に関しても解決することができた」(Lucent社CEOの Patricia Russo氏)

 同社は,同会計年度末までの損益分岐点をおよそ24億ドルに引き下げている。第3四半期以降の予測は明らかにしていないが,2003会計年度後半に黒字復活を目標にしているという。

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