米Ingrian Networksが米国時間10月2日に,“cookie poisoning(クッキーの改ざん)”と呼ばれる攻撃からWWWサイトを防御するためのプラットフォーム「Active Application Security」を発表した。

 クッキーとは,eビジネスを運用するWWWサーバーなどが生成する小さなサイズのデータで,WWWサイトを訪れた際にユーザーのパソコンにインストールし,必要に応じて内容を更新する。クッキー内部には,ユーザーを識別するための情報が入っている。ユーザーがWWWサイトを閲覧するとWWWサーバーにクッキーを返信するので,ユーザー認証やユーザーの行動監視に利用できる。

 Ingrian Networks社コーポレート&製品開発担当副社長のRod Murchison氏は,「クッキーは誰もがアクセスでき編集可能なので,ユーザーに送信する前に適切な暗号化などを施さないと,セキュリティの上で重大な危険となりうる」と説明する。「悪意のあるハッカーは,クッキーを攻撃目標とすることがよくある。特定のWWWサイトのクッキーを自分のパソコンから探し出し,その内容や目的を解読し,ユーザー情報を編集するなどしてWWWサイトに侵入しようとするのだ」(同氏)

 Active Application Securityプラットフォームでは,クッキー内の重要な情報に暗号化処理を施し,電子署名を付加する。そして,WWWサーバーとユーザー側にあるWWWクライアントが通信するたびに,電子署名を利用してクッキーの内容を確認する。仮に悪意のあるユーザーが電子署名を削除したり情報を書き換えたりすると,電子署名とクッキーの情報の整合性が取れなくなる。その場合,Active Application Securityはそのクッキーを阻止してWWWサイトには返信しない。

 また同プラットフォームは,クッキーの内容に3DES暗号を施す。解読するには秘密鍵が必要なので,クッキーを安全に保存できることになる。

 さらに,WWWサーバーとWWWクライアント間の通信にはすべてSSL接続を利用することで,通信経路の安全も確保するという。

 「電子署名,暗号化,SSL接続を組み合わせる新しい強力な手法により,通信経路およびデータ保存の両方で脆弱性をすべて排除し,クッキー改ざんの余地をゼロにする」(Ingrian Networks社)

 クッキー改ざんに向けた同社のソリューションは,直ちに利用可能とする。

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