米Nielsen//NetRatingsが米国時間5月9日に,世界におけるインターネット・ユーザーのオンライン活動の傾向に関する調査結果を発表した。調査対象となった12カ国で,過去6カ月のオンライン活動で大きな割合を占めたのは,電子メールの送受信だったことが明らかになった。
同社によれば,インターネットへのアクセスを持つ家庭の少なくとも75%が電子メールを利用しているという。調査対象となった12カ国すべてで電子メールの利用率は高いが,特に3大市場のオーストラリア,英国,オランダでは成人の90%が電子メールを利用していることが分かった。
チャット・ルームに関しては,成人のそれぞれ41%と38%が利用しているブラジルとスペイン以外の国では30%未満だった。オーディオ付きビジュアル・コンテンツとインターネット・ラジオの視聴者は50%をはるかに下回り,インスタント・メッセージの利用者はフランス,ドイツ,イタリアをふくむ国々で30%未満だった。
電子メールの人気の理由として,長距離間における低価格のコミュニケーションの実現と,他のアプリケーションで必要とされる高速接続を必要としないことを,同社は挙げている。調査対象となったほとんどの国におけるインターネット接続には,56K以下のモデムがもっとも普及している。香港では58%がケーブル・モデムか高速電話回線を利用してインターネットに接続している。そのため同地域におけるインターネット・ラジオとオーディオ付きビジュアル・コンテンツを視聴する割合が高くなっているという。
■16歳以上のネット・ユーザーが過去6カ月に利用した オンライン活動のネット人口に対する割合 ------------------------------------------------------------------------------ 国 電子メール チャット オーディオ・ビジュアル インターネット・ コンテンツの閲覧 ラジオの利用 オーストラリア 90 23 30 40 20 英国 90 16 35 41 21 オランダ 90 21 29 30 17 デンマーク 89 20 13 27 23 スイス 89 21 24 22 13 スウェーデン 88 19 32 29 25 香港 84 28 26 34 38 ドイツ 83 25 18 24 18 スペイン 82 38 43 32 23 フランス 80 27 26 27 20 イタリア 79 20 16 25 19 ブラジル 75 41 42 35 40 ------------------------------------------------------------------------------ 出典:Nielsen//NetRatings社
家庭のPCからインターネットにアクセスする世界のネット人口は,2001年第4四半期の4億9820万人から2002年第1四半期には5億3130万人に増加している。ネット人口は,北米がもっとも高く世界の34%を占め,欧州と中東の27%,アジア太平洋地域の21%,ラテン・アメリカの2%と続いている。
■地域別にみた家庭ネット人口と世界におけるネット人口の割合 ------------------------------------------------------------------ 家庭PCからアクセスする 世界的に見た ネット人口(100万人) ネット人口の割合(%) 米国/カナダ 182.8 34 欧州/中東 141.6 27 アジア太平洋 110.0 21 ラテン・アメリカ 13.4 2 その他の地域 83.5 16 トータル 531.3 100 ------------------------------------------------------------------ 出典:Nielsen//NetRatings社
家庭のPCからアクセスするネット人口は,米国,日本,ドイツ,英国,イタリアで12カ国の53%を占めている。英国は,前期からの成長率が高く家庭PCからアクセスするネット人口は420万人で150万家庭がインターネットに接続しているという。
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