米Gartner Dataquestが日本時間10月17日に,「世界のDRAM市場は,売上高ベースで2001年に対前年比67%減と大きく落ち込む。2002年もさらに19%減となりそうだ」との予測を発表した。。

 世界DRAM市場は,2000年に315億ドルの規模だったが,2001年には1/3の105億ドルになるとDataquest社は予測する。さらに2002年には,83億ドルにまで落ち込むとみる。ピークだった1995年の418億ドルに比べると,実に1/5の規模にまで縮小する。

 「現在すべてのDRAM企業が損失を計上しており,この状況は2002年第4四半期まで続く。そこまで生き残れない企業もあるだろう」(Dataquest社のシニア・アナリストのAndrew Norwood氏)。

 ここ数ヶ月間,小規模な生産縮小を発表した企業はあったが,大企業による大幅な減産は行われていない。そのため2002年にも苦境を強いられることになる。

 2002年に状況を好転させるのに必要なのは企業の合併や整理である。「主要企業のひとつでも倒産したら展開は早まるだろう。そうすれば成長に転じる可能性がある」(Norwood氏)。

 DRAM業界の苦境は,コンピュータ業界とエンド・ユーザーにとっては朗報となっている。「12カ月前には230ドルだった256Mバイトのメモリを30ドル以下で購入できる。DRAMの価格は生産コストを大きく下回っているため,DRAM企業はコンピュータ1台ごとに40ドル以上の助成金を提供しているようなものだ」(同氏)。

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