「ロボット技術の開発が拡大しつつある。モバイル・ロボットに向けたリモート・センサーや検査,操作などのアプリケーション市場が立ち上がる。これからのモバイル・ロボットには,新たなブレークスルーよりも,コスト削減や改良が重要なファクタとなる」。米ActivMedia Researchが米国時間2月13日に,「Mobile Robotics: The Next Revolution」と題する調査結果を発表した。

 モバイル・ロボットとは移動できるロボットを指す。ActivMedia社は,拡大するモバイル・ロボット技術の分野として以下を挙げる。

・コンピュータ性能の向上
・小型化技術
・距離測定レーザー
・立体視
・GPSシステム
・小型ジャイロスコープ
・無線通信
・インターネット

 ActivMedia社では,ロボット技術の普及を妨げる要因の一つとして,心理的要因を挙げる。

 「ロボット技術はサイエンス・フィクションやスリラー小説などにも出てくるため,どことなく恐怖感を覚えるという人が少なくない。アジア市場,特に日本は新しい技術を受容する傾向が強いので,欧米よりも普及の速度が早い」(ActivMedia社の副社長,Chris Anne Wheeler氏)。

 ActivMedia社は,こうした心理的要因の克服ほかに,以下の分野での技術革新がロボット技術の普及・拡大に必要であると指摘している。

・軽量電池
・低消費電力LSI
・高性能センサー機器(距離測定レーザー)
・無線通信技術やバンド幅共有技術の向上
・人工知能(AI)技術の向上:知覚,対応言語,データ・マイニング,ナビゲーション,操作など。

 なおActivMedia社は2月7日(米国時間)にも,モバイル・ロボット市場についての調査結果を発表している。モバイル・ロボット市場は,2000年の6億6500万ドルから2005年には171億7600万ドル規模へと約2500%増に急成長,台数ベースでも1600%増を超える勢いであるという。

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[発表資料]