米AMD(Advanced Micro Devices)が米国時間10月11日に,2000年第3四半期の決算を明らかにした。売上高が12億654万9000ドル,純利益が4億856万7000ドルでいずれも過去最高となった。売上高は前年同期比で82%増,前期比3%増を記録した。

 純利益には,通信インフラ向け半導体を手がけるCommunication Products部門(Legerity, Inc.)の売却に関連した一時的な利益(3億3689万9000ドル)および費用(2298万ドル)が含まれている。これらを除いた場合の利益は2億1930万1000ドル。

 営業利益は2億6284万4000ドルでこれも過去最高となった。

 なお前年同期は,売上高6億6219万2000ドル,営業損失9899万ドル,純損失1億554万5000ドルを計上していた。前期は売上高11億7043万7000ドル,営業利益2億5019万7000ドル,純利益は1億714万2000ドルだった。

 2000年第3四半期の製品別の売り上げでは,パソコン向けマイクロプロセサとフラッシュ・メモリがいずれも,前年同期に比べて2倍以上になった。フラッシュ・メモリの売り上げは,前期に比べて10%以上増えたという。

 「フラッシュ・メモリ製品への需要が売り上げの伸びを支えている。フラッシュ・メモリ製品の売り上げは前年同期に比べ2倍以上,前期に比べ17%増。販売個数の記録を達成した」(同社会長兼CEOのW.J. Sanders氏)。

AMDの2000年Q3決算

 パソコン向けマイクロプロセサについては,「販売個数,売り上げともに過去最高を記録した。売り上げは前年同期比50%以上増え,前期比では10%増」(同氏)。

 またAthlonプロセサ(Duronプロセサをあわせた販売個数を四半期ごとに倍増していくというAMD社の目標も達成しており,第3四半期には360万個を超えたという。

 このほかAMD社は,今後の見通しも明らかにした。第4四半期のAthlonプロセサ,Duronプロセサ,その他のパソコン向けプロセサは,個々の製品および全体においても売り上げ,販売個数の新たな記録を達成する。

 2000年のパソコン向けプロセサ全体の販売個数は当初の見込みである2500万個を超え2800万個になる,と予測している。99年は1880万個だった。第4四半期のパソコン向けプロセサ全体の販売個数は800万~900万個を見込んでいる。またAMD社製フラッシュ・メモリへの需要は今後も高まり,供給が需要に追いつかない状況が続くという。

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