米Oracleが米国時間10月3日に,「Oracle9i」の詳細について発表した。Oracle9iは,Oracle9i DatabaseとOracle9i Application Serverから成るデータベース管理システム(DBMS)。サンフランシスコで開催中の「OpenWorld 2000」会議で明らかにしたもの。なお同Application Serverについては前日の2日に発表を行っていた。

 Oracle9iの中心的な機能強化点として同社が強調するのは,クラスタ技術の「Oracle9i Real Application Clusters」である。「Cache Fusion」と呼ぶ特許技術を取り入れており,アプリケーションやデータに変更を加えることなくクラスタ・システムを拡張できる。これにより「性能と信頼性を桁違いに向上させる」(Oracle社)という。

 また,QoS(Quality of Service)の強化を図ったのも特徴。「各種のコンフィギュレーションを提供し,メンテナンスや障害発生時であってもデータベースを利用可能にする。柔軟なセキュリティ・レベルを提供し,データベース管理のルーチン・タスクを自動化する」(同社)。

 このほか,「Oracle Data Guard」と呼ぶデータ保護機能,自己復旧機能の「Flashback Query」,ユーザ認証技術の「Proxy Authentication」,複数ユーザの同時利用を管理・制御する「Virtual Private Database with Security Labels」,暗号機能「Selective Encryption 」などを備える。リアルタイムによるパーソナル化を可能にするなど,ビジネス・インテリジェンスの機能も用意する。

 システム管理面では,メモリー,CPU,ディスクなどの自動調整・管理,高度なレポート,自己診断,ルーチン・タスクの自動化,ウィザード形式のアドミニストレーションといった機能を備える。

 またOracle社は同日,Oracle9iに向けた開発ツール「Oracle9i Developer Suite」についても発表を行っている。Oracle9iは2001年前半の出荷を予定する。


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[www.oracle.comに掲載の発表資料4]