経済産業省(経産省)は4月28日,「フィッシング対策協議会」の設立総会を開催したことを公表した。フィッシング対策協議会とは,フィッシングに関する情報収集と一般への情報提供ならびに注意喚起などを目的に3月28日に設立された団体。クレジットカード会社や金融機関,セキュリティ組織などが参加する。設立総会では,今後の活動内容などが検討された。

 フィッシング対策協議会は,2004年12月から開催している「フィッシング・メール対策連絡会議」が発展したもの。設立自体は2005年2月に発表されている。

 フィッシング対策協議会の主な活動内容は,

(1)フィッシングに関する情報収集・提供
(2)フィッシングの動向分析
(3)技術・制度的対応の検討
(4)海外機関との連携

 (1)については,ユーザーから事業者へ寄せられた情報を集約し,メンバー間で共有できるデータベースを構築する。また,ユーザーや事業者,マスコミへフィッシングに関する情報をWebサイトなどを通じて発信する。5月中旬には,同協議会のサイト(http://www.antiphishing.jp/)をオープンする(現在では,同URLは「アンチフィッシング情報総合発信サイト」)。

 (2)では,(1)などの情報を基にフィッシングの動向を解析する。(3)については,メンバー同士で技術的/法律的な対応を検討する。(4)では,米APWGといった組織との連携を進める。

 なお,総務省でもフィッシング対策の組織「フィッシング対策推進連絡会」を開催している(関連記事)。こちらは通信事業者が対象。一方,フィッシング対策協議会はフィッシングに名前を悪用される事業者が中心である。総務省はフィッシング対策協議会に,経産省はフィッシング対策推進連絡会に,それぞれオブザーバとして参加している。

◎参考資料
「フィッシング対策協議会」設立総会について
フィッシング対策協議会の設立について
「フィッシング・メール対策連絡会議」の開催について

(勝村 幸博=IT Pro)