マイクロソフトは2月18日,過去に公開されたセキュリティ・パッチやサービスパックを収録したCD「WindowsセキュリティアップデートCD(2004年2月)」を無償配布することを発表した。郵送で配布する。送料も不要。同日,同社Webページで受付を開始した。発送は3月上旬を予定。ただし,同CDに収録されるのは2003年10月までに公開されたパッチおよびサービスパックに限られる。最近公開された危険なセキュリティ・ホール「MS03-049」「MS04-004」「MS04-007」などのパッチは含まれない。

 セキュリティアップデートCDには,Windows 98/98 SE/Me/2000/XP の最新サービスパックと,今までに公開されたセキュリティ・パッチが収録されている。さらに,セキュリティ機能をチェックするためのソフト「Windows Security Analyzer」(利用できるのはWindows XPだけ),シマンテックのウイルス対策ソフト「Norton AntiVirus 2004」とパーソナル・ファイアウオール・ソフト「Norton Personal Firewall 2004」の試用版(ともに90日間利用可能)などが同梱されている。

 CDを入手すれば,大容量のパッチをダウンロードする手間が省ける。また,「パッチを適用しようと思ってインターネットに接続したら,適用するまでの間にウイルスに感染した」といった事態を防げるので有用だ。ただし,CDに収められているのは,WindowsおよびデフォルトでWindowsに含まれるプログラムのパッチのみ。別途インストールするアプリケーション・ソフト(Microsoft Officeなど)やサーバー・ソフト(Microsoft Exchangeなど)のパッチは含まれない。

 また,CDに収録されているのは,2003年10月までに公開されたパッチである。。具体的には「MS03-045」までが含まれる。それ以降に公開されたパッチは含まれない。例えば,マイクロソフトが“危険なセキュリティ・ホール”と警告している「MS03-049」「MS04-004」「MS04-007」などのパッチは収録されていない。これらについては,インターネットに接続して「Windows Update」などから適用する必要がある。

 インターネットに接続してパッチを適用する際には,パーソナル・ファイアウオールを使う(XPの場合にはインターネット接続ファイアウオールを有効する)などして,“守りを固めて”から実施する必要がある。“守りの固め方”に関する情報は,マイクロソフトが公開している「新しいパソコン購入者やリカバリを予定しているユーザーへ」に詳しい。セキュリティアップデートCDを入手したユーザーは,同梱されているNorton Personal Firewall 2004の試用版を利用してもよいだろう。

 なお,セキュリティアップデートCDを申し込む際には,「.NET Passport」のアカウントが必要。.NET Passportには無償で登録できる。

 マイクロソフトは2003年9月にも,サービスパックやパッチを収めたCDを無償配布している(関連記事)。ただしこのときは,Windows XPユーザーだけが対象だった。今回は,Windows 98/98 SE/Me/2000のサービスパックやパッチも含まれる。また,このときにはCDをパソコン店などで配布したが,今回はその予定はないという。

◎参考資料
Windows セキュリティ アップデート CD (2004年2月)

(勝村 幸博=IT Pro)