マイクロソフト日本法人は、セキュリティ対策用プログラムを収納したCD-ROMを、期間限定で無償配布すると発表した。対象となるのは「インターネットに接続できない」、「インターネットに低速回線(ナローバンド)で接続している」といった理由で、Windows Updateを利用するのが難しいWindows XP Home Edition/Professional/Tablet PC Editionのユーザー。対象ユーザーは9月20日~10月31日までの間に、全国の主要パソコン店の店頭で、CD-ROMを受け取ることができる。これに先立ち9月17日~20日に開催するイベントWPC EXPO 2003の、マイクロソフトのブースでも配布する。

 今回、同社がCD-ROMで提供するのは、Windows XP Service Pack 1aと、同社が9月10日までに発表した各種「セキュリティ修正プログラム」。ワームやウイルスの発生が懸念されるセキュリティ・ホール「MS03-039」を修正するためのプログラムを含む(詳細は「Windowsにまたもや“超特大”のセキュリティ・ホール,すぐにWindows Updateの実施を」参照)。また、このCD-ROMの適用時に、ユーザーのパソコンの設定を強制的に変更、自動で修正プログラムをダウンロードし、インストール準備ができたら通知するようにする。ユーザーがWindows Updateを適用する作業の負担軽減を狙う。

 マイクロソフトは「現在、利用者数がもっとも多いXPに対する措置を優先した。他のOSについても検討はしているが、現在予定はない」(製品マーケティング本部Windows Server製品部の吉川顕太郎マネージャ)としている。また、新しくパソコンを購入するユーザーや、ブロードバンド・ユーザーへのCD-ROMの提供については、「基本的にはナローバンドのユーザーを優先して配って欲しいと販売店にお願いしているが、最終的には販売店の判断にゆだねる」(製品マーケティング本部Windows Server製品部の高沢冬樹部長)という。

 「今回のCD-ROMを使えば、現在提供している修正プログラムをインストールできる。今後は、差分のみダウンロードしてもらえばよい。ナローバンドのユーザーでも、自動的に修正ファイルをダウンロードしてもらうように設定を変更すれば、大きな負荷はかけずに済むと判断した」(吉川マネージャ)としている。

(広岡 延隆=日経コンピュータ)