ソーラーウインズ・ジャパンによるソリューション講演には、同社の藤武琢也氏が登壇。インフラ担当者の管理対象が増えている中、アプリケーションが遅いという問題を解決するための方策を、同社ツールのユーザー事例を交えて紹介した。
アプリケーションが遅くなる原因は様々である。藤武氏は、「これまでのような縦割り型の分散型管理では、サーバー管理者やデータベース管理者といった個々の管理者に個別に確認しても、問題の原因は分からない」と指摘する。それぞれが「問題はない」と答えるからである。
管理情報を管理者間で共有することが重要と藤武氏は言う。単一の運用管理ソフトで様々な情報を見られるようにすれば、担当範囲を超えて互いのリソースを確認し合える。これによって、問題を解決できるようになる。
例えば、データベースが仮想マシン上で動いていることが分かったり、データベースのストレージI/Oが遅いことに気付いたりする。このように、他の情報を組み合わせてみて初めて分かることがあるという。
また、アプリケーションの遅さにも種類がある。サーバーアクセスが遅いケースもあれば、ネットワークが遅いケースもある。サーバーアクセスも、アプリケーションそのものの処理が遅いケースもあれば、Web画面の遷移が遅いケース、ログイン処理が遅いケースなどがある。
ネット/サーバー/アプリのどこが遅いのか
こうしたアプリケーションの遅さを計測して性能の問題を解決するソフトを米SolarWindsは数多くそろえている。
例えば、「Network Performance Monitor」(NPM)は、SNMP/WMIによるネットワーク監視とVMware APIによる仮想環境の監視ができるソフト。「NetFlow Traffic Analyzer」(NTA)は、NPMのアドオンとして動作するNetFlowコレクタである。「Server & Application Monitor」(SAM)は、サーバー、OS、仮想化基盤、アプリケーションの状態を一気通貫で可視化する。「Web Performance Monitor」(WPM)は、Webアプリケーションの体感性能をユーザー視点で可視化する。
藤武氏は、これらの監視ソフトの事例を3つ紹介した。1つめは、大手製造業である。アプリケーションが遅かったので、NPM(ネットワーク性能監視)とSAM(サーバーアプリケーション監視)を導入して原因を分析、解決方法を判断した。NPMによって問題の原因がネットワークではなくサーバーにあることが分かったため、SAMを追加して分析した。
2つめは、大手金融機関である。拠点間通信のうち特定の拠点において帯域を使い尽くすトラフィックが発生していたので、NPM(ネットワーク性能監視)とNTA(NetFlowトラフィック分析)を導入し、IPアドレスやアプリケーションごとにトラフィックの詳細を分析した。結果、あるスキャン処理の解像度向上によるデータサイズの増加が原因だと判明した。
3つめは、中堅ソフトウエア開発会社である。クラウドサービスの採用にあたって通信負荷が増えることを想定し、最適な監視ソフトを検討した。結論としては、NPM(ネットワーク性能監視)とSAM(サーバーアプリケーション監視)とWPM(Web性能監視)を導入し、社内アプリケーションとクラウドアプリケーションのレスポンスをまとめて数値化した。
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ソーラーウインズ・ジャパン
【解説】トラフィック監視で効率アップ、無駄なしネットワーク強化術